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古い写真 [黄昏は麗しく]

なんとも相応しくないお話で恐縮です。あれはもう20年も前になります。母親の葬儀の日でした。親戚が、私の夫に「写真撮っておいてね」と頼みました。その後葬儀は無事に終わりました。葬儀には300万円ほどかかり、夫は驚きましたが、私はあの母の生涯を顧みれば、当然の葬儀だと思っていました。こうして私は89歳のは母親を送りました。一人っ子の私が責任を持って送ろうと思いました。

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葬儀からしばらくして、夫が撮った写真には、お棺の中の母の顔までが映っていました。ある意味で素直な人です。いいえ、人でした。母の没後10年目に今度は夫が急逝。私は一枚の写真も撮れずに送ることに。昨日片づけ物していたら、夫と私が並んでいる写真が出てきました。家の近所のお店に『小江戸桜』のCDを持ってキャンペーンに行った時、ママが映して下さったものです。こぼれる様な夫の笑顔。私は少しツンとしています。ベルベットのジャケットに上等なウールのロングスカートの私。生意気だと言われても仕方ありません。

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あらから16年が経ち、昨日で77歳になった私はこうしてまだ元気で生きています。一番の心配は、自分の時はどうなるのか…です。でも案外クヨクヨはしていません。兎に角、せっかく喜寿を迎えたのですから、さらに頑張って「これからが本物の私」と胸張って言えるように頑張ります。ポスターができました。これから取りに行きます。バスで往復は怖いけれど、重装備にしていってきます。

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往きはよいよい帰りは往きではないけれど帰路は重いボスターを持って、まだ日差しがまぶし蔵の街を小走りに歩く私。それでも、一番街で写真を数枚撮り、その後、愛犬2匹が眠る蓮馨寺へお参りをしてから家に戻りました。冷たい水を飲み急いで筒からポスターを引き出し、床に置きました。

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そして恐る恐るポスターを見た途端、へたへたと、座り込んだ私。如何したことかと申せば、自分ではチャームポイントだと思っていた、この眼、まるで死んでいます。おまけに口も不自然い開いています。ポスターへの想いはかなり厚かったのです。しかし一時は激怒してみたものの、鯛ちゃずけを食べ終わったころには、私の考えは変わっていちゃずけ

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『越えていこう、川越』に含まれた思い、それは過去の川越人たちも沢山の災難をみんなで乗り越えてきた経緯があるのだから、今度のコロナもみんなで乗り越えようというものです。であるならばよそ行きの着物もよそ行きの顔もいらない!素の自分でいいのだと思うようになった次第です。僅か10枚のポスターですが、観る方々に元気と情熱を送ることができたら幸せです。


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