女の化粧は命の泉 [黄昏は麗しく]
早いものでここ新座に来て２ヶ月が過ぎ、季節も冬から春へと。住まいの周りにはいたるところに草花や名も知らない大木も。しかし私自身はまだまだ冬ごもり状態。２月から川越教室のほうでは数組ですがレッスンが始まりました。しかし私の心はまだ満足が出来ません。ここ新座は歴史のある町で、２月になってからの町の賑わいは私が考えて以上です。しかし残念なことに、我が家のある馬場という場所には人影は疎らです。最近になって少しずつ新しい区域を散策していますが、これといった場所には出会えず、時間ばかりが空しく過ぎてゆきます。
時間がたつほどに今回の転居は間違っていたのかもしれない！そんな風に自分を責め続けていました。ここのところ、食事も何もかも嫌になってきました。そんなとき、MNさんからお電話を頂きました。そして…。まるで奇跡。その日MNさんから頂いたのは、今、私に一番必要だったあれでした。女性にとっては大変大切なものです。
家に帰った私は、少し大きめ鏡をテーブルに出し、MNさんから頂いたその品を並べました。いい匂いです。その時私の心に、なんとも言えない希望が湧きたってきたのです。そして、かつての自分を思い出しながら頂いた化粧品を使ってお化粧を始めました。
そのお化粧品は、はじめて使うものでしたが、どの品も高級品でした。下地から徐々に鏡を近くにしたり遠くにしたり、化粧は続きます。ことわざに馬子にも衣裳というのがありますが、まさにそれです。我ながらその代わり様には吃驚しました。今朝までの私の顔ではありません。その輪郭は遠い日を思いださせます。お化粧、なんと素晴らしい！数十年も使い続けた私の変身を、可能にするのですから。
