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鳴かぬなら…。 [小説の下書き]

鳴かせてみしょうホトトギス。若い頃の私はこんな娘でした。女だてらに恋を楽しむなんて…。しかし生涯を通してみれば、素晴らしい恋ばかり。先だってのことです。わたしの恋愛論を聞いた若い人が、70や80になって恋の話なんてみっともないって。私一人で笑ってしまいました。

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確かに母が50歳の時、22歳の私は母の恋愛を認められず、自棄になって家出さえしました。しかし今思えば、その世代(50代)の女性は人生で一番美しいかもしれないと。気持ち的にも開放され、心身も充実している気がします。その後はじまる長いシニア~シルバーへの道。私はこの道を歩き始めた今、思っていたより険しい道だと知りました。

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さて、前回の『旅ゆけば~のつづき』を少々。東京へ戻った私、母が入院している病院へ。担当の医師からは「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ」と。しかし退院した母からは、「向こうに行くのなら、親子の縁を切ってから行きなさい!」と。

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夫のもとへ戻ろうか、母と暮らそうか、私が悩んだ原因の一つに、あの不思議な経験がありました。話を少し戻します。インドネシアから帰国後、夫から頼まれた書類を持って、新宿へ向かった私。そこは夫が今回の仕事をするために窓口となっている団体がありました。

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夫に言われた通り、担当のFさんを訪ね、お土産の菓子折と書類を渡しました。Fさんは食事をと私を誘いましたが、それは食事ではありませんでした。今思えばうかつな私です。深い悲しみの中、一つの考えが。これが主人の言っていた『お土産の中身』だったのか?

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悪夢、しかしその後 またも思いもよらない夫からの仕打ち。ある日、母のところに来た一通の手紙。夫の上司からのものでした。インドネシアに夫を置き去りにしたのは、私が日本に恋人がいるからだと書いてありました。ばかばかしいとさえ思える内容。離婚を正当化した手紙でした。当時の私は31歳、夫は42歳でした。

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あれから45年の歳月が流れています。今はコロナの恐怖におびえる日々ですが。しかし思えば、夫との結婚生活は、不思議なことの連続でした。そして更に怖い話を思い出しました。

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それは結婚間もない夏のことです。登山が好きだった彼から山登りに行こうと誘われ、出かけました。山の名は憶えていないのですが、尾根のようなところを歩いていた気がします。私たち二人だけで、一列に歩きました。夫は登山靴。私は軽い運動靴。電車、バスを乗り継いで行った気がします。

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どの位あるいたのでしょうか、気が付けば前が見えないほどの霧がかかってきました。こわごわ目を凝らして足元をみると、なんと!そこは人が2列では歩けないほどの山道。右も左も傾斜しています。「○○さん~」と大声で泣きわめきました。両手を前に出し、先方を歩いている筈の夫の姿を探す私。
 
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暫くして「何しているの、ここだよ」。少し視界が開けた向こうに夫の顔が! しかし私の心は、嬉しいより釈然としない思いでした。『あの時と同じだ』と。あの時とは同年5月に行った新婚旅行の夜のことです。考えられないようなハプニングだったと、夫が言った新婚旅行。

つづきは次回で。次回は福岡、長崎。宮崎、鹿児島と総勢6人で行った新婚旅行の出来事からスタートします。
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