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古地図に馳せる想い [シンガー]

私が初めて川越を訪れたのは13歳の時です。文京区にある女学校に入学した私は、教室で隣の席に座ったINさんと仲良しになり、彼女の誘いで、西武池袋線で、川越をおとづれました。13歳の私は新宿区早稲田鶴巻町に祖母、母と暮らしていました。初めておとづれた川越の街を彼女の案内で歩きましたが、一番印象に残ったのは彼女が卒業した小学校。その思い出は、二人でブランコの下で撮った写真です。そして2回目の訪問は、池坊お茶の水学院生だった23歳の時。


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当時私の家は下宿屋さんを。早稲田大学生が多い下宿屋でした。ある夏、大勢の学生さんの一人、Tさんの友人、Yさんに誘われて、川越市霞が関、角栄団地にある家で、夏の一日を過ごしました。そして10月、私達は大隈会館で、挙式を上げました。新居は川越市霞が関になりました。生まれ故郷の東京を離れた私は、数カ月で里帰り。心配した母は、二人で暮らせるように母の家の裏手に小さな家を建てました。その後しばらくは川越には行かなかった私でしたが、結婚7年目に夫の意向もあり、霞が関の家を建て直して、二人で住むことに。私、30歳まで後わずかになった頃です。


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その後、母も東京の家を売却、川越市霞が関に転居しました。当時の我が家と母の住まいは10分ほどで行き来ができ、母はご満悦でした。家の前の公園には八重桜があり、母はとても喜んでその花を愛ででいました。そして30年が過ぎ、私と母に起こった様々な思い出と共には母89歳で他界。私は再婚して母の家を守り続けました。


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けれど運命は残酷、母の他界から10年後、今度は夫が逝去。私は一人になってしまいました。その頃の私は新人の歌手として地元はもとより、神奈川や東京で歌っていました。夫の生きていた時はTVにも出たりと、人生で一番華やかな時期を過ごしていました。ところが夫亡きあとの私に、恐ろしい事件が次々。夫が無くなって2年近くになった2014年、いろいろな出会いがあって、歌謡教室のスタート、翌年は自宅の転居と。私は現在の住まいに暮らす事に。それから6年が経ち、私の身に思いもしなかった事件がおこりました。それまでの私は、自分の人生とそれを導いてくださった周囲の方々に感謝をしていたつもりでした。もっともっと頑張って、頑張って! その願いだけで77歳を迎えた頃です。そしてあの恐ろしい、2021年4月がきました。


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4月になって長い間空き家だった、隣室にA子さんが入居。その数日後、彼女からの暴力がスタート。最初は猫を蹴り飛ばす彼女へ、「止めて!可哀そうじゃない!」この言葉が私の運命をぐいぐいとひぱりました。暴力は4月から夏ごろまでで、通算8回。その後もいろいろありました。私は暴力の度に警察迄タクシーで駆け込みました。然し証拠がないと、最初は話も聞いて頂けませんでしたが、度重なる暴力に、時としては刑事さんやその他の方が耳を傾けて下さいました。暴力で受けた頭や、わき腹、手首、胸、身体の痛みがあったものの、コロナ禍の下で、治療を受けたくとも状況的には病院へ行くチャンスがない私でした。



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そして、年が明け2022年になりました。静なお正月を迎え、去年の悪夢が少しづつ治まったかのように思えましたが、しかし、何もない筈はありません。クレアモールパークで、マンションの玄関で、A子の恐ろしい顔をみると、私は身震いを覚え、体が硬直するような感じが。もう駄目!ここを離れよう~と。しかし少しばかりの年金では引っ越しなどは到底出来ません。ここ10日程川越のあちこちを歩き回り、転居の可能性を考えてきました。以前購入した「川越城下重ね地図」を眺めて、遠い日の川越で暮らした人々へ想い馳せて、今の自分を考えてみました。


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この伝統の街、私の第二の故郷。しかし、今。ここにはもう私の住む家が無い! 逃げよう~、「いいえ、逃げたは駄目!」。母なら、今の私にどういうのでしょうか? 庭の柏葉紫陽花も、平戸つつじも、私と一緒に、此処での暮らしを謳歌しましたね。さよなら第二の故郷と、私は未だ言いたくないのです。「川越城下かさね地図」、もう一度この古の地図の町々を歩いてみたい!熱い血が私の中に今も流れています。


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