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舞台わらしにあった日 [歌手]

2012.7.16日、場所は埼玉のとある舞台です。有名歌手さんの舞台に出させて頂いた私。その日の衣装はかつて無い程の豪華な借衣装。夫は何時ものように私に同行していました。よくマネージャーさん?と聞かれましたが、自営業の夫は時間の工面が出来る時は必ず送り迎えと撮影係。この日はあと2カ月でデビュー3年目を迎える頃でした。

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私は第1部の緞帳上がりを仰せつかり大興奮。いよいよ開幕、係の方がステージ中央を示してくれ、私は興奮する心を抑えて緞帳の少し前に立ちます。そしてお辞儀の体制を緞帳があがるペースで少しづつ戻してゆきました。緞帳が上がり終わった時、暗闇から強い光線が、これが大ステージの感激なのだとその時初めて知りました。

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小江戸桜を歌い始めた私、只々興奮の坩堝の中。歌も中盤に差し掛かった頃、大変な事が起こったのです。それは殆どあり得ない筈なのに…、私の履いていた草履、確か右足だったと記憶していますが、その佐賀錦の鼻緒の草履が空を切って目の前を飛んだのです。其の直前の私は何かに背中を軽く押されたような感覚を持ちました。

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その後、弧をかいて飛んだ草履は再び私の足元に、それも直ぐ履く事の出来るように足袋の先に落ちたのです。気が付いた時には、ごく自然い草履を履いたのです。そしてそのまま歌い続けていた気がします。その間が何秒だたのかもっと長かったのかまったく覚えていません。あとで主催者の方にその事を話すと、「やっぱり出たのね。それは舞台わらしよ、古い舞台ではよくある事なの」と仰いました。私はまさかと思いましたが、会場で観ていた友人たちも突然、私の体が前方に体が傾いたと証言しています。

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その翌月の8月21日、夫は急逝,通夜の日は私のお誕生日でした。あの日、舞台わらしが出たかどうかは別として、当日夫が撮った写真の殆どが、傾いでいました。今思えば体調が芳しくない中、亡夫は何時ものように舞台写真を撮って呉れてたのです。また撮影に使たカメラは先日まで私が使っていた赤いカメラ。

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この件は決して作り事ではなく大勢のお客さんの目の前で起こった出来事です。座敷童に舞台わらし。悪戯小僧だけれど、忘れることのできない出来事です。若しかしたら私にこれから起こる事の危険を教えて呉れたのかも知れません。

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あれから七度目の夏が来ました。最近の私は大きな舞台を踏むことは全くありません。重たい高価な衣装をきて舞台を踏むこともはもう出来ないと思います。思えば座敷童に逢えた日は人生最高のステージだった気がします。草履が弧を描き目の前を飛んで再び足元に、脱げた側の右足の所に戻って来る!ああ奇跡、いいえやっぱり舞台わらしの悪戯。過去の沢山の思い出の中でも秀逸の出来事でした。皆様は舞台わらし、居ると思われますでしょうか。
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middrinn

それは実に不思議な体験をされましたねぇ( ̄◇ ̄;)
先日の体調チェックの自撮りにナルホドでした(^^)
by middrinn (2019-07-23 09:51) 

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